2011/10/30

フェルメールと"がらしゃ"のコーヒー

28日はフェルメールを観て、帰りはがらしゃに寄ってコーヒーを飲み、アップルパイを食べ、ついでに答案の添削をし、更に豆を買って戻ったのである。秋の日の過ごし方としてはよかったのではないだろうか。


フェルメールは手紙をテーマにした作品3点の公開で、順路最後の部屋に別枠で展示されていた。そこまで同時代のオランダの画家たちの作品を一通り観てきた上で最後にフェルメールを見直してみると、そこには当然のごとく共通性と別格の違いとの2つが看て取れた。18世紀オランダの市民社会、そこに営まれる生活の有様や示される人間の姿と言えばみなそうなのだが、フェルメールだけはどこか孤高の趣があるのである。当たり前の凡俗の中に埋没することのない非凡さ、孤独と超然といったものが感じられる。他の画家たちは親であれ反であれ、良くも悪くも世俗に馴染み、そこに棹差しているのだが、何故かフェルメールだけはまるで馴染んでいない。意識して背を向けているというのではない。もともと異質なのだ。現世と世俗に対してエトランジェじみた不思議な距離感が常にあって、それが奇妙で異質なのだ。しばしばフェルメールが「謎めいた」と評される理由の一端は、このあたりにあるのだろう。それをこの目で確認できたのは良かった。実物を見て、同時代者の中に並べて置いてみて、それで見えてくるものがある。



一方、こちらも非凡である点では共通である。"がらしゃ"のコーヒーも凡俗レベルではない。この店をこれまで知らずにいたのは、不覚と言うべきであった。

2011/10/10

Giant Seek R2で来る秋の秋保大滝

体育の日に秋保大滝に来ている。無論、先日の定義山に続いて自転車でだ。GPSの記録では、ちょうど32km走ってきたようだ。定義山よりわずかに近い。
植物園脇に駐めて、いざ大滝見物へ出発だ。

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今は、大滝の滝壺に降り、戻ってきて、展望所の横にある不動茶屋で一服している。あんこ餅、冷抹茶、三角油揚げてりやきを頼み、油揚げは時間を置いてから持ってきてもらうように頼んだ。
あんこ餅は既に一つ手をつけた後。左は冷抹茶、ガムシロップ、ストロー付きとは驚いた。
太田とうふ店の油揚げ。ここの油揚げも美味い。大根とネギ、鰹節が載っており、右のつゆを掛けて食べろと言われた。

などと暢気にやっていると地震である。不動茶屋がガタガタ揺れ動いた。地震速報では、久しぶりのM6レベル、福島沖が震源らしい。・・・確認するとM5.6、福島、宮城の最大震度は4、ここら辺りは3くらいだったようだ。まだまだ大ナマズは落ち着いてはくれない。

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いつもシャッターの閉まった姿しか見ていなかった。なかなか悪くない感じだ。
落ち着いた店内。テーブルにはステンドグラスのライトが置いてあった。
この不動茶屋はこれまでも何度か入ろうと思ったが、その度に開いていなくて、結局今回が初めてである。中は意外と落ち着いた空間となっている。値段はどれもいい値段だが、太田とうふ店の店だけあって油揚げは美味い。

実は走ってくる途中で太田とうふ店に寄り、青ばた豆乳を飲んではきたのだ。帰りにも寄るつもりでいる。竹豆腐や油揚げなど家への土産を買うつもりなのだ。

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滝はなかなか見事なものであった。前に来た時は滝壺に降りる道が通行止めになっていて、降りられなかったので、不動茶屋同様滝壺も今度が初めてだったのだが、そこそこ険しい階段を下りていくと、マイナスイオンを大量発生させる轟く瀑布があった。
上から見るとこう。紅葉が始まっている。
滝壺へ向かう。
急な階段を降りる。前を行くおばちゃんはかなり大変そうだ。
到着。マイナスイオン大量発生。
振り返れば静かな渓谷の趣。

2011/10/03

Giant Seek R2で久しぶりに来た定義山

秋の日の定義門前。出発して約2時間、11時着である。平日でもあり、まだ人は少ない。
9/22 台風翌日の雨模様の日
先月、家の者を連れて定義山に来た折、(何と)三角油揚げの豆腐屋が新しくなっていたり、(残念なことに)来る途中のジェラート屋が閉店していたりと幾つか気になる変化が目についたのである。思えば、前回自転車をこいで来たのは、もう2年も前だ。震災もあり不景気もあり、記憶は変わっていないが、実際の有様はまるっきり変わっていないという方がおかしかろう。
というわけで、来ないでいた間の変化の有様をもう少し見たかったということがあり、また車で来て久しぶりに食べた定義とうふ店の揚げたて三角油揚げが滅法美味かったということがあり、そしてせっかく気候が自転車に向いてきたというのにタイヤを替えてからまだ一度も遠出していないということもあり、諸々の理由から近い内に改めて自転車で来ようと思ったのである。

それでやって来た。

今は晴れ上がった秋空の下、五重塔横のベンチで定義清水館自慢の焼きめしを頬ばっている。
空が青い



本当なら、"Patisserie-Soleil"でケーキセットを頼んで、いつもの外テーブルに座り、好きなタルトにコーヒーで、隣の清水館の食事処から(なぜかいつも)流れてくる北島三郎に否応もなく耳を傾けながら、一杯二杯とコーヒーをお代わりしては、のんびりこれを打っているはずだったのだが、変化はここにも及んでいたのである。つまり店がなくなっていた。
何と潰れたのか。それにしても誰が戸を開けているのだろう?
正確には、開いていたが中身がなくなっていた。定義門前では唯一まともにコーヒーが飲める店だったが、何とも残念なことである。秋のいい日和に食堂や座敷でという気にもならないので、仕方もなくベンチで日向ぼっこである。
日差しがちょうどいい。暑くもなく寒くもない。

無論、三角油揚げは食べた。こちらは店舗こそ変われ、なくなる恐れはないだろう。ここがなくなる時は、定義山門前商店街壊滅の時だ。
これなら軽井沢でもOKか?以前の店も味わい深かったが。

店が新しくなり、心なしか油の風味が上がったような気がしないでもない。以前よりも軽くなって、優しい甘みが感じられるようだ。この間もそう感じた。揚げ油を変えたのか、それとも休日でないぶん立て込んでいないからか。
やはり揚げ立てでないといけない。家でお土産用を焼いても、この軽やかさが出ないのだ。



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近くの道は亀裂や段差もなく綺麗だった。この辺りは地盤が堅いのであろう。ちなみに写真のこの道は走りやすそうでいて微妙にのぼり勾配があり、視覚と脚の感覚のずれに微妙な違和感を感じる。スピードは出そうで今一つ出ない。当然ながら、逆に帰りは颯爽と快適である。
少し日が陰ると物寂しい秋の気配が漂う。電線の上には鴉が。

定義如来まであと2km。黄金色の田んぼ。稲は刈られているところとそうでないところと8:2といったところか。
さて、肝心の自転車の方だが、こちらの調子はなかなか良かった。2年前と比べて変わっているのは4箇所(ペダル、グリップ、サイドバー、タイヤ)程度だが、身に馴染んだ分もあってか、かなり快適に走ってこられた。ここまで往路約35km、先月換えたばかりのタイヤ(Continental Grand Prix 4000 S)のおかげでこぎ味は軽く、乗り味は意外にもそこそこ柔らかく、以前履いてきたタイヤ(ただのGrand Prix)より随分楽であった。高低差は500m程度で、登りには内側に逆さに着けたサイドバーがかなり効いた。フラットハンドルの弱点は順手握りのせいで生じる上体の力のロスだが、それがこの小さな逆付けサイドバーのおかげで解消する。言わば擬似ドロップハンドル状態を作るわけで、そうなると腕の引きを十分に活用することができるようになる。本当のドロップハンドルには当然及ばないが、高速巡航時や登坂時には大変重宝する。
普段は通勤に活躍している我が愛車。
パンクをしても、暗くなっても、外にとめても大丈夫である。
色々つけているがどれも簡単に取り外すことができる。
(大倉ダムの上で一休み。向こうにはダム湖が広がっている。)

ちなみに2年前はこんな感じである。
すっきりしているし、チェーン周りなどがきれいだ。

更に前だと
純正シートは青く、シートポストは銀だった。

更に遡ると
シートポストと同じくハンドル周りも銀、サドル同様グリップも青、タイヤはMaxxisの32c、その他。
これが買った当初のオリジナルの姿であった。